テクニカルガイド
高濃度は要注意
合計300%以上は、危険領域
K100%の黒をスミベタ、対してスミベタにCMYをそれぞれ40%程度足した黒をリッチブラックと言います。一見同じ黒ですが、一般的にはリッチブラックの方が締まりのある黒に仕上がると言われます。この「CMYをそれぞれ40%程度」足した黒であれば問題ないのですが、CMYK各色の合計が400%となる「四色ベタ」にしてしまうと、 印刷後のインキが乾燥できず、重なり合った用紙に付着してしまいます。これは裏移りと呼ばれるもので、紙の種類によってインクの乾きやすさが異なるため、データ作成の段階から注意が必要です。掛け合わせの合計が、コート紙なら320%以内、マットコート紙なら300%以内に収まる濃度であれば、裏移りの心配はありません。
- 入稿データに300%以上の色が使用されている場合、弊社の判断にて色調整をさせていただくことがあります。この色調整によって、印刷物の色合いが多少変化することもありますが、裏移りを防ぐための処理ですのであらかじめご了承ください。
- レジストレーションカラーは、オフセットカラー印刷では C+M+Y+K としてトンボのカラーに使用されます。トンボ以外で、レジストレーションを使用するのは避けてください。
高濃度は要注意!
オフセット印刷 の特性上、印刷表現の難しい色が存在します。
例えば、CMYをすべて100%に設定すると、モニター上では真っ黒に表示されますが、実際の印刷では真っ黒にはなりません。
赤みがかったり、青っぽくなったり、予期せぬ色に仕上がります。CMYKのみで特に濃度の高い色を表現するのはなるべく避けて下さい。
色ムラが発生したり、モニター上とは全く違う予想外の色に仕上がってしまうことがあります。
「濃い色」を表現する場合は、K(ブラック)を加えて作成いただくと、比較的安定した色合いになります。